宿の声

温泉ソムリエの徒然草。

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珈琲もハンドドリップです


 
私どもで最後にお召し上がりいただくのが朝の珈琲。(苦手な方には紅茶等のご用意もございます)。栃木の珈琲工房「ほろにが」さんから仕入れた豆をその都度挽いて、ハンドドリップで丁寧に淹れています。
高級な宿に泊まられても、最後の珈琲まで美味しいところは少ないですが、珈琲ショップ以上のものをお出ししようと思っております。
 

最強の空気清浄機を導入


 
私どもでは、お食事室に「最強の空気清浄機」と言われているAirdogを設置しています。花粉やホコリはもちろん、インフルエンザウイルスも99.8%分解すると言われ、ドイツではコロナウイルスにも有効とされています。病院など医療機関での設置が多く、飲食店でみることは少ないですが、お客様によりご安心をご提供できればと思っております。
 

岩倉の「春」


 
早春に庭先を彩るミツマタの花です。宿の周りに群植しており、11月から蕾のまま春を迎え、3月中旬に黄色味を増して、下旬まで群れなして咲き誇ります。
剥いた皮は和紙の原料になり、紙幣に使われます。私どもには、一万円札はありませんが、一万円札の原料はたくさんあります(笑)。
(写真は3月23日に撮影しました)
 

昼間のホタル


 
例年、6月15日頃から7月15日頃まで、庭先やお風呂の前にホタルが飛びます。源氏ホタルと平家ホタルの両方がいて、一ケ月ほど鑑賞できます。夜の光が注目されますが、日中も飛んでいます。羽をパタパタさせ、体を立てて飛ぶさまは海のクリオネのようです。漆黒のボディにオレンジピンクの顔立ちが何とも可愛いです。
 

岩倉鉱泉の記録

私どもは、明治時代からこの地で営業しておりますが、当時は、前を流れる沢沿いに上流まで田んぼが広がり、農作業の傍らにお茶を飲むために掘った井戸水に、ほのかな甘みを感じ、ここに五右衛門風呂を運んでお湯にしたのが私どもの始まりです。 滑らかなお湯はよく暖まり、神経痛や腰痛、リュウマチ、痔痛などに効能が大きいと、多くの湯治のお客様をお迎えしておりました。
(医療技術が発達していなかった昔は、お湯で治す「湯治」という療法も一般的でした。)
その後、昭和23年に温泉法が施行され、温泉の定義が作成されました。
温泉法でいう「温泉」とは、

成分はなくても、25℃以上の温度があること。
温度が低い水であっても、塩分や鉄分、硫黄など(19種類の鉱物質が指定されています)が一定以上含まれていること。

このうちの一つを満たすと、三次検査を経て温泉法の認定を受けることができます。私どもも、二次検査を済ませ、温泉の認定を受ける事は可能ですが、温泉法以前から「鉱泉」として営業しており、馴れ親しんだ鉱泉の泉の名前を捨てるのも偲び難いものがあるとともに、お客様に入湯税のご負担をお願いすることになり、鉱泉のままにしております。
 
何よりも、良いお湯かどうかを見極めるのは、「温泉法」ではなく、「お客様自身」だと考えております。

お客様にご愛顧いただいて130年の岩倉鉱泉です。